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zoom RSS 金の船

<<   作成日時 : 2009/03/08 23:14   >>

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季節が変わるので  雨の日が続いている   

どこまで行っても  銀鼠の空だ    この空を見ると思い出す


祖母が逝ったのも  この季節だった



知らせが来たのも雨の日だった 

あいにく両親が海外旅行中で不在  連絡の取りようもなく  隣人に伝言を頼み  単身  新潟へ駈け付けた


家紋入りの懐剣を抱いた祖母が横たわっていた

その傍らに座り  夜明かしをするというのを  初めて経験した



通夜  葬儀  滞りなく終わり  親族だけで火葬場へ向かう


田舎の火葬場は  山ひとつ越えた所に  ひっそりとあった

待っている間  親戚達と離れ  ずっと外に出ていた



つづら折の細い私道の先  谷間から日本海が見えた

銀鼠の空  鈍色の海  関東は春先でも  こちらはまだ真冬だ

風花が舞っていた  それが雪なのか  波の花なのか  それとも祖母の灰なのか 

喪服だけで外に出ていたが  不思議と寒さは感じなかった  

もともとここの育ちだから寒さに強いが  雪が舞っていても風しか感じなかった


見上げると  空はますます白さを増し  雪も灰も  溶かしていった



葬儀の朝  夢を見た


金の海に大きな金の船が浮いていた

知らない人間  動物と共に  祖母がその船に乗っていく

自分はそれを見送っている

大きな船だった  見上げても見上げても  上が見えない船

祖母はそれに乗っていった





銀鼠の空の向こう  金の船が行く 


祖母がその船に乗って  もう 1 5 年が過ぎた













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