進撃の巨人 # 5

兵士としての訓練を終えた エレン は、成績 トップ 10 のみが入れる憲兵団ではなく、当初の目的である調査兵団を志願した。 訓練兵を卒業し、翌日からそれぞれの配属先へと向かう矢先、五年前と同じ超大型巨人が エレン の前に現れた。


※最初におことわり。 自分の レビュー は アニメ の技術解説ですが、P C 導入前にアニメーター を退いている事と、現役の頃、自分が苦労した部分を中心としていますので、現役や経験の長い人から見ると 『イタイ・ヌルイ』 解説になっています。 ご注意を


原作は未読です。 全く ゼロ の状態で見ています。

放送前に C M で立体機動で動く キャラ の動画を見て 「何だか エライ 事してるな 」 と冷や汗が出た ( 笑
その アクション は 1話で少し出て ( うろ覚えで スマン 間違えてたら ゴメン ) 、その後も少し出たけど秒数が
短かかったり、B G フォロー ( 背景だけが 滑るように流れる事 ) だったり。 C M のような ダイナミック な動画は
今回が初じゃないかな。 ( ホント、間違えてたらごめん )

この作品、アクションシーン は つけP A N ( つけパン・・・対象物の動きに合わせて、カメラも一緒に動くカメラワークの事 ) と回り込みが多い。 ダイナミック な動きにはなるけど、描く方 ( アニメーター ) は大変 (^ ^ ;A


画像超大型巨人の シーン。 この カット は つけ P A N












画像ものすごく大雑把で スマン。
レイアウト 上ではこんな感じになる。
朱色で塗りつぶしが動画
黄色で塗りつぶしが山などの背景
白い部分が空となる。( 蒸気は省略・・・ゴメン )
朱色の枠線が フレーム。テレビ で映る部分
朱色の曲線は、その上を フレーム が通る軌道

つまり、少し大きな背景の上を
動画用紙が移動して行くわけです。
( ゲージ は ウソ です。突っ込まないように )


何が大変かと言うと、作画の際はこの大きな背景を意識して動画を作らなければならない事。 この例で言うと
巨人が体を振ってくるのですが、振る時、回転の軸があるので、その大きな背景の中にある軸から ズレ ない
よう気を配らなくてはならない。
とにかく、普通の原・動画とは違って神経使う作業。 動画 チェック の際も、動きの確認だけではなく、背景の
上の置いて再 チェック する。

新人さんは、イヤ がりますね。 ( オイラ も イヤ でした・・・汗 )


画像巨人の腕から飛んで、背中側へ。
この カット は回り込み。
こういう場合、難しいのは キャラ ( エレン ) ではなく
巨人の方。
巨人の造形だけではなく、描き手 ( アニメーター ) が
カメラマン の目を持っていないとこの迫力は
出せない。
普段から自分がどういう物に「アンテナ」を向けて
いるか。 動画に対する追求と探求と向上心。
カメラワーク だったり、動きの プロセス だったり。


この原画さんは、ものすごく上手い。 感覚的な動きだけでなく、実際に動くものをよく観察する人と見受けた。

バイク 乗って ブラインドコーナー 抜ける時がこんな感じだね。 わりとそういう物をよく見てる人かな。原画さんは
( アニメーター は バイク 乗り多いし )
アクション 監督が付いてる作品だけど、その難しい要求に喰らいつける人いるね。



画像仲間が喰われ、突進していく シーン

エレン の後ろ姿から始まって横顔の アップ まで
この カット が約 9 秒 ( 正確に計ってません )

これも カメラ が グルグル 回ってますが
背景は C G で作ってますし、カメラ の前を
キャラ が 近づいたり離れたりする。
この前あたりの様に、キャラ が画面の外に
出たり外から入ってきたりして、動画の
切れ目があれば負担は少ないですが
(それでも大変には違いないけど )

画像この カット は キャラ が ギリギリ画面内に
残っている。フレームアウト ( 画面外へ出る ) はなし。
正確には分からないが、動画枚数は 100 を超えている
と思う。( 恐らく 100 ~ 200 の間 )
作画担当の負担は相当大きかったのではないか。

オイラ は C G 処理になる前にこの世界を離れて
ますので、レイアウト 上どうなってるか分りません。
ただ、9 秒間の アクション を描くという事は
並大抵ではない。


画像そしてこの カット、原画の方が枚数多い
動きを見ると、動画さんでは作れない ポーズ
タイミング が多く、この動きの大半を原画さんが
作成しているのではと思う。

この立体機動 アクション の シーン
C G での合成 ( C G の動きもかなり細かく作ってある )
を考えると、かなり時間をかけて作っていると思う。
もしかすると、この シーン のみ別 チーム 作って
作業だったかも。

画像上の回りこみもそうだが、この カット 担当の
原画さんも良い目を持っている。

原作は未読なので、この立体機動が マンガ でどう
表現されているのはか知らないが、ここまで迫力ある
動画に仕上げるのだから この作品の スタッフ は
スゴ すぎる。





最近の アニメ って、1・2話はいいけどそれ以降は作画が・・・・って パターン 多いけど、「進撃の巨人」 はここまで
大きな作画の崩れはない。 作画監督・動画 チェック の ミス はあるものの、クオリティ は維持している。

アクションシーン だけではなく、細かい仕草も丁寧なので、この スタッフ の意気込みが並々ならないものと感じる。
間違いなく、今期 №1 になる作品ではないだろうか。

大変でしょうが、スタッフ の皆様 ガンバッテ 下さい。











この記事へのコメント

ぺらすぱ
2020年11月22日 20:40
コメント失礼します!
私はいち視聴者なのですが、あの迫力ある立体機動のシーンに”フォローパン”という技法が使われていると知り、検索からこちらのブログに辿り着いた者です。

やはり相当の負担がかかるようですね...
進撃の巨人は12月のファイナルシーズンに向けて制作会社が変更になっているのですが、この頃の迫力が失われるのではないかとファンとして心配しています...

とても詳細で制作側の苦労が伝わってくる貴重な文章で、とても楽しめました。ありがとうございます!

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