蟲師 続章 # 1

およそ遠しとされしもの  下等で奇怪  見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしき モノ 達  
それら異形の一群を ヒト は古くから畏れを含み  いつしか総じて 「蟲」 と呼んだ




2005 年に放映された 「蟲師」 の 2 期です。 いや、嬉しいっすね。 しかし、これだけ年数たってから 2 期が
スタート する アニメ も珍しい。  当時から反響のあった作品でしたから、2 期の期待はあったけどさ。
ここにたどり着くまでにどんな ドラマ があったか、スタッフ に聞いてみたいな。 DVD の コメンタリー、そのあたり入らないかな ?

2 期の一発目、「野末の宴」 です。 初視聴の人のも、「蟲師」 の世界が分かるように上手い話を持ってきた。
特にこれから キー となるであろう 「光酒 ( こうき )」 ・ 「光脈」 ・ 「蟲」 の説明が出る。 1期1話よりは 大雑把だが、これから話が進むにつれ、この キー の補足が出るだろう。


ストーリー の感想等、あちこち出てきたのは嬉しいかぎり。 そのあたりは他の方達にお任せして、
ココ では アニメ の技術的な感想を書いてみたいと思います。

本題に入る前に少々、この ブログ では恒例になりました前置きおば・・・


※最初におことわり
自分の感想は アニメ の技術面の レビュー が主ですが、アニメ が P C 処理になる前に アニメーター を退いてますので経験者、現役から見ると、 ヌルイ・痛い 感想になってます。 ご注意を。



それでは ( ^ ^ ; A



1期同様、この作品の スタッフ は キャラ の演技にこだわりを持っている。
ロクスケ が酒樽を掃除している時に呼ばれ、手ぬぐいで手を拭きながら話を聞く カット。 手の動きをよく見てほしい。 けっこう細かく ゴソゴソ と動く動画だが、ポイント は手ぬぐいで隠れている手が、その下でどういう動きをしているか分かる という点。

まず右手で左を拭い、今度はその逆という動きなのだが、簡単に済ませようとするなら モコモコ っとした繰り返しの動画 ( 通称 リピート ) で仕上げる。 この方が動画枚数少ないし、原画 ・ 動画の負担もないが、この スタッフ はそういう妥協をしない。

原画の下書きの段階で右手 ・ 左手の動きを先に完成させる。 その上に布 ( 手ぬぐい ) が乗る絵を描き、原画の完成。 ただ、動画担当に動きを分かりやすくする為、手の線はそのまま残し、動画作成の時に布だけの絵にする。 たぶんこんな感じで作ってる。 見えていないのにその下の動きが分かるのは、原画が キチンとその動作を作っているからです。

ロクスケ の子供の頃の シーン。 見えない蟲を手で払う カット。
ここも妥協しない動きでした。 普通だと、手を振って終了なんですよ。 「シッ ・ シッ」 って感じで。
この カット、手の デッサン もきれいでしたが、振った後 ご丁寧に手首を返す動作を入れるんです。 こうすると、本当に 「うっとおしい」 感が出ますね。 足で払う カット も、よく見てほしいんだけど、足の指をほんの少し曲げる絵が入ってる。 何だか気持ち悪い感がよく出る。 そこを狙って作画している。

ラスト 近く、ロクスケ が樽の中の モロミ を撹拌する シーン。 小さい画でしたが、キャラ が力を入れてかき回すというのがきれいに出ていた動画でした。
樽の中の モロミ をかき回すとき、撹拌の竿に伝わる抵抗。 竿を押したり引いたりする時の力の入れ具合。 こういう動作って、観察しないと作画できないし、動く タイミング も理解できていないと軽い動きになる。 見ている側に重さの分かる動画を作るって、難しいことなんです。


手ぬぐいの動画にしろ、払う動作にしろ、作画の打合せで決まっていたこととはいえ、それをきちんと仕上げられるのは、スタッフ の力が揃っているからだね。 非常に確かでいい仕事です。

動画ではないが、他の アニメ では見られなくなったものがひとつ。 それは トレス 線。

トレス 線とは、キャラ の輪郭だったり物の線だったり。 黒い実線の事です。

この 「蟲師」 という作品、セルアニメ 当時そのままの 「入り ・ 抜き」 で線を引いている。 「入り」 とは、だんだん太くなる線のこと。 「抜き」 とは、だんだん先細になる線のことです。

現在、アニメ は PC 処理の関係で、 トレス 線は細い均一の線で描かれている。 彩色の際、細い線の方が修正が楽だからだが、デメリット は線が硬く見えるというところ。 昔のように線に強弱つけて作画すると、時間もかかるし 「柔らかい線・硬い線」 の描き分けにも習得に時間を要する。
作業効率のための統一線だが、質感のない無機質な キャラ の線ばかりで冷たい感じの アニメ が増えたと感じる。

ところがこの作品は、昔どうりの入り ・ 抜きを使い、非常に線が柔らかく感じる。 引いた画はやや均一だが、アップ の画は肌の質感、髪 ・ 服の質感がよく出ており柔らかい。 時々、線の切れている箇所は色 トレス ( 鉛筆で描く線ではなく、色鉛筆を使用し、そこは P C で肌の色を置く指定をする ) で処理という手間をかける。

キャラ の演技だけではなく、こういった線の処理までこだわりを出す。 スケジュール 大変なはずなのに妥協をしないのは スタッフ に信念があるからだろう。 頭が下がりますね。

ギンコ が 「その蟲煙草全部・・・」 と言った後の ニッ と笑う所に動画枚数入れたり、猩々の髭が酒を飲んだ後空へ登る カット で猩々一本一本 バラバラ の タイミング で動かせたり、ラスト の ロクスケ が酒を飲んで蟲を見る カット の蟲達の バラバラ ・ 動かせ方など、スタッフ の息遣い ・ 苦労が分かる仕事でした。


毎週、こんな仕事が見られるのは幸せですな ( 笑



来週も楽しみです。








この記事へのコメント

光酒を目指す蔵人
2014年04月08日 15:15
醪を櫂棒で撹拌する時の回転方向が逆だと思いました。櫂棒を引く時の力で醪を混ぜますので。その一点だけが気になりました。
2014年04月09日 21:43
光酒を目指す蔵人さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

>醪を櫂棒で撹拌する時の回転方向が逆だと思いました。

なるほど、もろみの撹拌は引く方に力を溜める方がいいんですね。参考になります。このスタッフのことですから、どこかに取材に行ってると思うので、DVDにおそらく付くであろう、第一話のコメンタリーにそのあたり出るかもしれないですね。DVDで動画の修正があるかどうか、少し楽しみです。

この記事へのトラックバック