蟲師 続章 # 3

深々と降り積もる雪。 山々を渡る風も湖も、凍える寒さに身をひそめる。 その白き真綿ははたして、生命を包む者なのか、生物に憑りつく隣人なのか・・・。


原作の中でも蟲があまり活躍 ( ? ) しない話。 憑りつかれた人間の話だが、1話 ・ 2話のように モゾモゾ とか動きらしい動きがなく、存在だけで特徴のある動きがない。

アニメーション なので、動画を工夫しないと紙芝居になりかねない。 そうすると人間の演技を工夫したいが、ストーリー 自体が静かなので人の動きをちょっとでも大きくすると、 オーバーアクション になりそう。
 
1期の 「柔らかい角」 や、「春と嘯く」 のように蟲の見せ場があればいいけど、この話はその 「蟲」 の助けがない。 原作でも動きが少ない話なので、 スタッフ も苦労したはず。


ただ、そこはやはりこの人達 ( スタッフ ) 。 この回は人の吐き出す 「 息 」 に ポイント を決めてきた。


冒頭から、吐き出される白い息の動画が現れる。 それは キャラ の セリフ に合わせるかのように、セリフ 毎に フォルム や 大きさを変えてある。

前回の波の動画同様、これも カット 毎に動画 ( 作画 ) を変えてある。 同じ動画を使うものもあったが、数えるほどで、ほぼ カット 毎だった。

形や大きさが バラバラ なのは、発音や声の大きさ ・ 長さで吐き出される息の量は違ってくるので、同じではおかしいだろうという考えから。

口から出て消えるまでの動画枚数もまちまちなだが、それは吐き出した息の量の大小に合わせてある。


前回の波の動画といい、今回の息の作画といい、色々よく考えて造ってある。


「息」 に ポイント を置いた理由はもう一つあって、「 トキ」 がどれだけ常人からかけ離れた者になったかを示す、「記号」 を持たせる為。
とにかく これでもか、これでもかと思うほど 「息」 の動画を見せ、全く息が白くならない トキ とそれ以外の人間の差を出す。 寒い所での 「白い息」 は、「寒さ」 と 「温もり」 の 「記号」だ。 それをしつこく見せることで、トキ の異常さを出す。

そしてこの 「記号」 は、クライマックス で最大の威力を出す。

「息が、白い」 の シーン。 トキ が 常人 へ戻るという シーン だが、ここまでくどいくらい 「息」 の動画を見せられた我々は、この 「記号」 で 「人」 という ワード が導き出される。

原作でも白い息は描かれているが、タッチ が弱く 「記号」 として生きていない。 単なる シチュエーション のような描かれ方をしている。

そこを スタッフ ( 長濱さんかもしれない ) が気づいたのかな。 ラスト を盛り上げる為と、動画を面白くする為に 「息」 を選んだ。

とにかくこの ラスト、トキ の 「痛み」 がよく伝わる シーン になった。 非常に上手い演出ですね。 さすがです。
ラストシーン の ギンコ が後ろ姿で去る カット、声はないけど クシャミ している。 これも 「息」 の動画で表現。 これ、スタッフ の お遊びですね。 おちゃめだなぁ。


ホント、面白いなぁ・・・この人達の仕事は。

来週は 「闇を撫でる手」 か。 楽しみです。









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